癒しと励ましにミントの苗を買ってみたのだけれど
私は神戸は元町の栄町通りをぶらぶらと散歩していた。
栄町通りといえば、三宮のセンター街、元町の中華街のごく近くにあるにもかかわらず、落ち着いたカフェやお洒落な雑貨店がならぶエリアだ。
手作りアクセサリーの店、古着屋、何に使うかわからないインテリア雑貨の店などが集中してこのエリアにある。
そんな雑貨屋の入り口に、ふと置いてある小さな苗木が目に付いた。
モロッカンミント、と札にはある。
ミントといえば、おかし作りやデザート、お茶に使う人も多いだろうが、私はモヒートが好きだ。
日本ではあまりおいしいモヒートに出会ったことがないのだが、ヨーロッパで初めてそれを飲んだ時、感動してハマったのだ。
それはプラハでのこと。薄暗く肌寒い印象を持っていた私は、観光しだすとその認識が間違っていたことを知る。
その夏、その日は特に暑くなり、冷房装置が不十分なその国はちょっと居心地が悪かった。
そんな時、有名な時計塔の前にあるカフェでぐったりしていた私が飲んだのがモヒートだった。
細かい氷が敷き詰められたグラス、冷えたリキュールのキュッと締まる喉越し、たくさん入れられたミントの爽やかな香り。その冷たさは旅の疲れも暑さもじんわり和らげてくれる、優しい味がした。
モロッカンミント、
ああこれでモヒートを作ろう。家に置いて、毎日水をやり、世話をしたらそれも楽しいだろう。少し広すぎる部屋には、1人よりきっとこの子と一緒がいいだろう。
私はその小さな鉢植えを300円くらいで買った。仮に上手く育たなくても、今生えているだけの量のミントの葉を手に入れるには、スーパーで同じくらいの値段がするのだ。
大丈夫、ミントは雑草のように繁殖力が高いというじゃないか。ダメかもしれないけど、その時はその時だ、凹む必要なんてない。
なんども心に言い聞かせる。
ちょっと弱々しい気もするが、なんとか植わっている。
葉はすっといい匂いがするのだが、いかんせん安定感がないというか、葉が少なく元気がないように見える。土から小さな芽が生えているし、茎から新しく葉も出てきているのだが、果たしてうまくいくのだろうか。
数日経ったが、あまり変化がなく、期待が持てなくなってきている。
枯れてしまう前に、今あるミントだけ収穫して美味しくいただいた方がいいか、いやもう少し待つべきか。。。
もう少し様子を見てみよう。新しい環境に置かれて、ミント君も戸惑っているのかもしれない。
もし、この後の更新がなかったら、その時はみなさん、お察しください。