chofchof's blog

神戸在住の社会人四年目。趣味と実益を探し求める日々。

サニタリーショーツ ってひょっとしていらないんじゃないか

 

小学5年生の春だったと思う。

自然学校の準備のための時間、私たちは男女で教室を分けられて、女子たちは保険の先生に 生理 について教わった。

ショートカットで引き締まったマラソン選手みたいな明るい先生は、その後も何度か年賀状をやり取りした。

その保険の先生が、優しい声で言うのだ。

「とっても大事なことだから、正しく知って欲しいのよ」

一足飛びに大人になっていく少女たちの不安定な心は、包み込まれるような安心感と、秘密めいた結束感に、少し嬉しくなったものだ。

深緑の黒板、チョークの濃さ、小さな机は粗削りの木板。教室を包む空気は水色とかピンクのマーブル模様だったに違いない。

 

ところでその初めての 生理 の話の際、ナプキンとサニタリーショーツの使い方を教わった。

生理になったら、専用の下着を身につけて、そこにナプキンをつけましょう、と。

私も当然授業や母親に教わった通りに、専用の下着に履き替えた。

だが、月の物と付き合って15年以上、実に180回目の生理が訪れる頃、私はどうしても分からないことを無視できなくなっていた。

 

サニタリーショーツが、役に立ってる気がしない。

 

ナプキンを使用する場合、下着のフィット感は非常に大事だ。サニタリーショーツの多くはその伸縮性の高さでその点をクリアしている。

が、普通の下着でも、適度なフィット感があるものなら十分対応できるのだ。

しかも、サニタリーショーツと謳っている商品でも、サイズが大きいのか私のお尻が小さいのか、ゆるくて不安なものもある。

 

また、サニタリーショーツの最大の特徴は、クロッチ部分が防水布になっている点だと思う。

これはナプキンがずれたり許容範囲を超えた出血量の際、漏れないためのものだ。

だが、羽根つきを使う私は、ずれることもそう多くなく、仕事で長時間ナプキンを変えられないとかも漏れたことはない。

これは経血の量や運動量で個人差があると思うが、シャカシャカ素材の下着を履くストレスの方が勝るのではないか。

 

さらに、慣れてくるとナプキンよりタンポンの方が圧倒的に楽である。それならナプキンほどショーツに気を使う必要もない。

 さらにさらに、ナプキンに追い打ちをかけるのが、ここ数年で一気に浸透してきた感のある パンティライナーの存在だ。

小さくて持ち運びも楽なので頻繁に変えられるし、ナプキンほど蒸れたりごわごわしないし・・・ふつうの下着につけられるのでサニタリーショーツは必要ない。

 

結果、1~3日目…タンポン+パンティライナー+通常下着

   忙しい2日目…タンポン+ナプキン+サニタリーショーツ

   4日目以降…ナプキン+通常下着

これが個人的にベストなのではないかと思う。

「生理が来たら、ナプキンを使って、専用の下着をつける」

そう習ったのはきっと間違いではなかったのだろう。

小学生にタンポンは、抵抗がある子が多いだろうし、うまく使えないとトラブルにもなる。

だが、何事も最初に習うのは、物事の一端。最も手軽な対処法に過ぎない。

 

私もいい大人になったことだし、あの日の保険の先生はそろそろ退職を迎えるだろう。

クラスの半数が女子だった教室は、100人のおっさんと数人の女性社員がいる営業所に姿を変えた。

10年も履いたサニタリーショーツはすっかりくたびれてほつれている。

さみしいけれどサヨナラだ。

 

大人になるっていうことは、少しずつ鮮やかな思い出をセピア色にぼかしていくことなのかもしれない。